エイズの初期症状

エイズ発症期にさしかかると厚生労働省で決められている23の疾患の一つに罹ったことを意味しています。つまり、23個の病気のうちのどれかに罹ったらエイズ発症期となるのです。

このエイズを発症するには、HIVに感染していることが条件となります。HIVに感染してから5~10年ほどするとエイズを発症するのです。

エイズが発症するまでHIVに感染しているかどうかを判別するにはHIV抗体などの検査を保健所や病院でするしかありません。

実はHIVウイルスが体内に入っていてもその初期症状では感染しているか堂かを判別することは非常に困難となっているのです。

主に感染した初期症状はインフルエンザや風邪の症状と酷似しています。発熱、皮膚の発疹、リンパの痛み、関節痛、筋肉痛、喉の痛みなど、病院に行けば風邪と診断されてしまう症状ばかりです。

しかし、この症状は抗生物質を飲んだとしても効果はありません。HIVと診断をされているわけではないので薬の効果がでないのです。

性別によってもこの初期症状には特徴があり、女性の場合には不正出血、おりもの、下腹部の痛みが出ることがあります

ただ男性に比べるとこれらの症状も非常に軽く、普段から似ている症状がある人も多くいるはずです。しかし、これらが原因で早産、流産、不妊症などを引き起こしてしまう可能性もあります

一方で男性の場合は女性よりも症状としては重くはありますが、それでは気がつく人は少ないそうです。排尿時の痛み、尿道から分泌物がでてくるなどの程度です。

しかし、これらが副睾丸炎、前立腺炎、尿道炎などを引き起こしてしまう可能性もあります。

これらエイズの初期症状はHIVに感染した人全員に起こることではありません。発熱などは90%、リンパの腫れや皮膚の発疹などは70%の人に起こりますが、それでも症状が軽い人はまったく気づかない人も多くいるそうです。

こうした点から初期症状の段階でエイズであるということに完全に気がつくことは困難かも知れませんが、早期発見早期治療により病気の進行を防ぐことはできるので、少しでも心当たりのある人は検査を受けた方が良いでしょう。

HIV感染成立の2~3週間後にHIV血症は急速にピークに達するが、この時期には発熱、咽頭痛、筋肉痛、皮疹、リンパ節腫脹、頭痛などのインフルエンザあるいは伝染性単核球症様の症状が出現する。症状は全く無自覚の程度から、無菌性髄膜炎に至るほどの強いものまで、その程度は様々である。初期症状は数日から10週間程度続き、多くの場合自然に軽快する。この時期に診断が出来ると、その後の治療及び経過に圧倒的に有利になる。

引用元:感染初期(急性期)‐国立感染症研究所

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目次

エイズが末期になると

エイズはHIVに感染した当初は症状も風邪のような症状で、比較的感染直後は穏やかな症状となっています。しかしながら、急性感染期から無症候期を経てエイズの発症期となります。

エイズと確定となるのは厚生労働省が定める23個の疾患の内の1つにでも罹ってしまった時点でエイズとなります。

この23の疾患にかかると免疫力が非常に弱っている状態のため、死に至ることもあります。

1997年頃までは多剤併用法という抗HIV治療がなく、免疫力を回復させることが困難であったために、エイズによる死亡者が非常に多くいました。

エイズと認定される23の病気の中には免疫力が高く健康な状態でも症状を現す病気があります。これは、帯状疱疹や、口腔カンジダ、カポジ肉腫、結核などがあります。

カポジ肉腫などはエイズの病気としても有名ですが、その他の3つに関してはHIVに感染していなくてもかかる病気であり、この時点でも気がつかない場合もあります。

さらに末期に近づき、免疫力が非常に落ちた状態ででやすい病気としては、ニューモシスチス肺炎クリプトコッカス症トキソプラズマ脳症サイトメガロウイルス感染症食道カンジダがあります。

特にニューモシスチス肺炎はもっとも多いエイズと認定される病気で、もしも治療をしなければかなりの確率で死に至ります。

その他にも、クリプトコッカス症は悪化すると、昏睡状態に陥ったり記憶障害を引き起こしますし、日本人の90%が感染したことのあるサイトメガロウイルス感染症は消化器官や脳などに影響を及ぼすなど非常に危険な病気です。

もはやどうにもならないほど免疫力がなくなっている時期には、症状が結核に似ている非結核性抗酸菌症や血液の癌である悪性リンパ腫、脳に障害をもたらすHIV脳症などがあり、これらに罹ってしまうとすでに手遅れな状態も多く治療としては成功しないことが多くあります

その他の病気になってしまいエイズになってしまうとその進行を妨げることはできてもかなり免疫も落ちており、様々な病気に罹りやすい状態となっています。

もしも、一つでも気になる症状がある場合は、このような末期症状になる前に病院でしっかりと検査を受け治療をしなければなりません。

皮膚に異常の出るエイズの症状

症状が出始めても現代の医学であれば、なんとかすぐに命の危険となることは避けることができ、免疫力を回復させることも可能となっています。

しかしながら、どうしても人間の皮膚に出てきてしまうエイズの症状は抑えることができずHIV感染者の90%の人は湿疹、斑点、発疹、しこりなどの異常が皮膚に出てきます

一つ目は以前はエイズの末期症状を象徴する病気の一つであったカポジ肉腫であります。これはヒトヘルペスウイルスによって発症する日和見感染症で、体内だけではなく体内にもできる病変です。

しかも、顔面などにもでることがあります。カポジ肉腫は抗HIV療法が開発されたことで治療が可能となりました。

ヒストプラズマ症主に肺に症状がでる病気ではありますが、皮膚に出ることもあります。

原因としてはHIVウイルスにより免疫機能が低下することによって皮膚が黒色に変化してしまい、治療をせずに放置しておくと死に至ることもある病気です。

コクシジオイデス症もヒスとプラズマ症と似ていて、肺にできることが多くあります。

しかし、皮膚にできることがあり、変色などを起こし、治療をせずにいると必ず死に至る骨髄炎を引き起こすこともあるほどです。

壊疽も23の病気の内の一つで、下半身に出ることが多く、体の組織が腐敗しており、皮膚が黒や緑になり悪臭をはなちます。有効な治療法も血行再建術がありますが、治療は困難な病気の一つです。

もっとも身近でありHIVでなくても症状がおこるものが単純ヘルペスウイルスです。HIVでなくてもヘルペスを発症している人は多くいますが、口や体に水疱のようなものができて痛がゆくなります。

しかも感染力が非常に強いために人に移りやすくもなります。このヘルペスがエイズの場合はすでに免疫力がまったくない状態になっているので、その症状の重症度が増すのが特徴です。

皮膚に症状がでるエイズ

HIVに感染し急性感染期から無症候期を経てエイズとなる時には皮膚にその症状がでる病気があります

これらの病気にかかるとすぐに命を落とすと言うことではありませんが、放っておけば合併症を起こしてしまったり、死に至ることはあります

もしもこれらの症状がある人はすぐに病院に行った方が良いという病気です。

その皮膚に症状が出る病気の中でも比較的ポピュラーなものとしては、単純ヘルペスウイルス感染症があります。

この病気はHIVに感染していなくても日本人の多くの人が罹っている病気のため非常に身近な存在です。

元々水疱瘡などにかかると人間の体内にはヘルペスウイルス残り、疲れやストレスなどで免疫力が低下したときに起きる病気です。

HIVウイルスはリンパなどで免疫を弱らせているので、このヘルペスの症状が出てきてしまいます

口唇ヘルペスなどはその一つで、HIVに感染していない患者よりも非常に重症になりやすく痛みや腫れが非常に大きく出てしまいます。

帯状疱疹もヘルペスの一種で体の左右どちらか片方に疱疹が出て痛みやかゆみを伴います。感染力も非常に強いために、人にも移りやすいのが特徴です。

これらヘルペスの症状がでるとエイズが発症するのではないかと疑われることがあります

伝染性軟属腫は水いぼとも呼ばれており、症状として2~5㎜ほどの盛り上がった発疹が皮膚に出てきます。色は皮膚とかわらないか、薄茶色のような色をしていることが多くあります。

性器にできることが多く見られ、特に幼稚園児などにはよくできることがある病気です。ヘルペスと同様に感染しやすいのが特徴で、人から人へと簡単に移ってしまいます。

もしもこれらの症状が顔などにできはじめたらエイズを疑わなければならなくなります。

HIVに感染した人の30~85%程度に見られるのが脂漏性湿疹で、皮膚の表面を保護する皮脂が多くなり、そのため炎症を起こす症状です。そのためHIV患者でなくても乳幼児などにも多く見られる病気なので、そこまで珍しくはありません。

そしてエイズと認定される中で以前はもっとも象徴的な病気がカポジ肉腫でした。これもヘルペスウイルスの一種で免疫力が非常に弱くなると発症してきます。

皮膚だけではなく、体内、口腔粘膜、顔面などにもできることがあります

これらの症状は現在では免疫力を高めることで治療をすることができるようになりましたが、これらの症状が皮膚に出てしかも重症である場合はエイズを疑って病院にすぐに検査に行くことをオススメします。

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