無気門亜目ヒゼンダニ科の体長は約0.4mmほどのダニ、ヒゼンダニという小さなダニが寄生して起こる皮膚感染症でヒトからヒトに簡単に感染していきます。
特に外陰部に棲息している場合には性行為により簡単にパートナーに感染していき、性行為以外でも衣類や寝具などを介してなど集団生活によって集団感染することも少なくありません。
疥癬とはヒト皮膚角質層に寄生するヒゼンダニの感染により発症し,ヒゼンダニの虫体,糞,脱皮殻などに対するアレルギー反応による皮膚病変と瘙痒を主症状とする感染症である
引用元:疥癬診療ガイドライン-日本皮膚科学会
疥癬の症状
ヒゼンダニが寄生して一ヶ月ほどの潜伏期間を経て強いかゆみなどが発症します。特に体が温まるとかゆみが強くなったりします(特に夜間)。
外陰部や下腹部、わきの下などに赤く小さな水泡が出来、かきむしってしまうと細菌による2次感染も併発することも少なくありません。
性器周辺に限らず指の間をはじめ、首から下の全身にかゆみをおぼえるようになり湿疹が多数発生します。
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疥癬の検査と治療
ヒゼンダニの検査は顕微鏡検査またはダーモスコピー検査があり顕微鏡検査は注射針でヒゼンダニを取り出したり角質層をメスなどで採取した後に観察して診断されます。
そこでヒゼンダニの成虫や若虫、幼虫、卵、卵の抜け殻、糞などが確認されれば、外科治療で切除したりクロタミンクリームや安息香酸ベンジル液、抗ヒスタミン薬、疥癬虫を殺虫できる外用剤などの軟膏を処方して治療していきます。
治療には2,3ヶ月かかります。常に体を清潔することを心がけ寝具や衣類も日干しなどしっかり消毒しなければなりません。