HIV感染症(エイズ)とは?

性行為によって感染するHIVは血液、精液、膣分泌液に含まれ粘膜部分や傷口から感染する可能性があります。

初期段階の症状としては一旦発熱やのどの痛みなど風邪の症状と似たものが発生してその後、症状が消えるそうです。

そして症状が出ないままの状態が続きます。その期間は1年でという人もいれば15年間続くなど人によって症状が出ない期間には大きく差があります。

免疫力が低下し発症したら下痢や寝汗、体重減少などが起こりさらに免疫力低下による様々な感染症や腫瘍、神経障害などを引き起こします。

世界で5千万人の感染者がいるという世界的な社会問題でもある病気です。

正式には「後天性免疫不全症候群」と言い英語の頭文字からAIDSと呼ばれ1983年にHIV(ヒト免疫不全ウィルス)が発見されHIVが免疫を作る白血球に入りリンパ球を破壊し増殖していきます。結果的に免疫が低下し様々な病気にかかりやすくなります

レトロウイルスの一種であるヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus;HIV)の感染によって免疫不全が生じ、日和見感染症や悪性腫瘍が合併した状態。

引用元:後天性免疫不全症候群‐厚生労働省

目次

無症候期がある

感染すると感染後または感染から1週間から4週間後に風邪に似た症状が起こる人も多いですが気づかない人も少なくなりません。

その後、数か月から15年ほど症状も生活もまったく支障もない期間である無症候期が続きますが他人に感染させる危険性はあります

無症候期があるということは、自分でHIVに感染しているという事を気付かない人もたくさんいるという事です。

見た目も症状も健康な人となんら変わらないのでこの間に性交渉をして感染する可能性があります。

逆に言えば、あなた自身がエイズではないという確証も自分では確認できないのでしっかりとした検査をして安心したいものです。

日本ではまだ割合としては少ないとは言え、世界的に爆発的に感染者が増えている事を考えたら決して他人事の病気ではありません。

発病すると免疫力が低下し普通ならまずかからない病気も含め様々な病気にかかり、脳もおかされてしまい痴呆になることもあります。発病すると多くの人は5年以内に亡くなっています

HIV/AIDS感染者数

日本では毎年検査でHIV陽性反応が1000人以上出ており先進国では珍しく患者数が増えています。

下記に公表されているデータも掲載していますが、HIV、AIDSは無症候性感染期も長い場合も多く、あくまで検査をした人のみの数値ですしHIVにより死亡した人や新たに発見された人など正確な数値もありませんので日本でどれだけ多くの人が感染しているのかは下記のデータでは分かりませんが約2万人いると言われています。

検査率の悪い日本ではこの数字もやはり当てになりません。




世界的に見れば3400万人もの患者がいると言われており毎年100万人単位で命を落としています。

新たに250万人もの人が新たに感染しているという数から考えると世界で毎日6500人の人がHIV、AIDSに感染しているという計算になります。

世界的ですが特に南アフリカに集中しているのが現状です。感染経緯などは国や地域によって状況が変わってくるため一概には言えませんが同性間性交渉が多く報告されています。

HIVの感染経路

HIVは主に性交渉感染血液感染母子感染でなかでも性交渉によって感染する人がほとんどです。元々HIVウィルスは感染力は強くなく上記3種類以外で感染することはまずありません。





性交渉での感染は女性の場合には精液が膣の粘膜に接触して感染し、男性は性器の目で確認できない微小な傷に膣分泌液が接触し感染します。

フェラチオ、クンニなどと言ったあらゆる性交渉でも感染する可能性があります。中でも腸は傷つきやすくアナルセックスでの感染は数多く報告されています。

傷があったり出血が無ければ、キスや手でする行為自体では感染の可能性は少ないです。

先にも言った通りHIVは基本的に感染力は弱くキスなども唾液を何リットルも飲まなければ感染しないとも言われていますが傷が無いとは言えませんし可能性もゼロではないという事を理解しておくべきです。

血液での感染は主に麻薬の注射打ち回しなどで感染する事が多く問題になっています。しかし、麻薬自体禁じられている為、注射は通常では医療機関によるものですのでほとんどありません。

最後に母子感染ですが、母子感染経路は3つあります。まず妊娠中に感染してしまう場合と出産時に産道出血により感染する場合と母乳での感染です。

母親が感染している場合、HAART(多剤併用療法)で血中のウイルス量を下げ子供への感染確率を下げて帝王切開にて母親の血液を付着させないようにして母乳で育てなければほとんどの場合、感染を回避することが出来ます。



逆に感染しない行為と言うものも正しく理解しておきたいです。HIVは何度も言うように感染力は決して強くありません。

下記のようなものから感染することはありませんので偏見を持たない為にも正しく知っておきましょう

軽いキス、せき、くしゃみ、握手、トイレ、風呂、プール、タオル、涙、汗

同居していてもなんら問題ないほど、AIDSは感染しない病気であると言えます。

HIVの検査方法

5mlほどの採血にてHIV抗体スクリーニング検査にて陽性、陰性で結果が出ます。通常は一次検査と二次検査(確認検査)の二段階で行われます。

HIV 検査はスクリーニング検査と確認検査の 2 段階で行われる(図 1)。スクリーニング検査には抗体検出法として凝集法(PA 法)、酵素免疫抗体法(EIA)、イムノクロマトグラフィー法(IC 法)があり、いずれも HIV-1/2 抗体の両方が検出できる。抗原・抗体同時検査法のほとんどは EIA であり、HIV-1/2 抗体に加えて HIV-1 抗原を検出でき、抗体のみの検査に比べウインドウ期を短縮することができる。

引用元:HIV スクリーニング検査‐厚生労働省

一般的に感染する可能性があった機会から3ヶ月たって陰性の場合には感染していないと考えられていますが、2ヶ月間は可能性は低いが感染している可能性を残していると言われています。

AIDSに感染すると6~8週間ほどで血液中にHIV抗体が出来る為、感染の可能性のある行為をした3か月後に受けるのが目安になります。

エイズに関連する厚生労働省の役割

日本国内におけるエイズの対策などは厚生労働省が中心となって行われています

厚生労働省によれば、日本のエイズ対策は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき、平成11年に定められた「後天性免疫不全症候群に関する特定感染症予防指針」に剃って進められ、lその発生動向や状況などの変化を踏まえつつ、平成24年までに2度の見直しが行われています。

改正後の方針に基づき、現在では、

「国と地方の役割分担の下、人権を尊重しつつ、普及啓発及び教育、検査・相談体制の充実、医療の提供などの施策に取り組むこと」

として定められています。

2度の見直しが行われてはいますが、基本的な考えは3つあり、

・疾病概念の変化に対応した施策展開
・国と地方公共団体との役割分担の明確化
・施策の重点化

があります。

この3つの基本的な考え方を中心として、施策の3本柱を「普及啓発及び教育:個別施策層に重点をおいた普及啓発等」、「検査相談体制の充実:利便性の高い検査体制構築等」、「医療の提供:中核拠点病院の整備を始めとした医療体制の確保」としています。

日本国内でもう一つエイズに関連して厚生労働省が重要な役割を担っているのが、エイズの診断などについてです。

感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について」後天性免疫不全症候群の定義や届け出、またその診断に対手を定めています。

そして、厚生労働省はHIVウイルスの感染者がかかっているとエイズと定められる、23の病気を取り決めています

真菌症ではニューモシスティス肺炎やヒストプラズマ症、カンジダ症など、そして、原虫症では、 トキソプラズマ脳症やクリプトスポリジウム症、細菌感染症では活動性結核や化膿性細菌感染症、ウイルス感染症ではよくみかける単純ヘルペスウイルス感染症、腫瘍ではもっとも有名なカポジ肉腫、そしてその他にもHIV脳症やHIV消耗性症候群を23の病気と定めています。

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